李明博政権ピンチのわけ
事件直後は、女性が何らかの目的をもって警戒区域に入ったとの憶測も浮上。しかし次第に、元警察官の夫(53)と大学生の息子(23)とソウル市内に暮らす「平凡な主婦」像が固まり、丸腰の観光客が北朝鮮軍に射殺されたという現実が見えてきた。
韓国社会がショックを受けたのは、まさにこの点だった。
「金剛山が危険な場所だとは、多くの韓国人は思っていない」
ソウル新聞の黄性淇編集局次長はそう説明する。
「現代峨山という財閥系企業がツアーを主催していることもあり、安全な観光地というイメージが強い」
東亜日報の徐永娥東京支局長も、金剛山について、
「日本でいえば箱根の温泉地のような印象」
と一般の人々の認識を解説。
「指定場所以外は撮影禁止だが、知り合いの大学教授がうっかりカメラを構え、拘束された。大学教授でもそれぐらい緊張感がないのだから、今回の主婦も危険な場所だとは思わなかったのではないか」
金剛山観光は1998年に始まった。現代峨山によると、今年6月までの10年間で、延約195万人がツアーに参加。うち約1万3000人が日本や米国、中国などからの外国人だという。日本人が被害者となる可能性もあったのだ。
誕生から5カ月足らずの李明博政権にとっても、今回の事件はタイミングが非常に悪いものだった。
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